クレジットカードの安全性

クレジットカードを利用する上で気になることの一つに、カードの“安全性”に関する問題があります。つい先頃にも、カード会社や銀行がデータ処理を委託している、アメリカの「カードシステムズ・ソリューションズ」という会社で、大規模なカード情報流出事故が起きました。日本でも楽天の加盟店からクレジットカード情報が流失し、ニュースとなりました。
こんなニュースが続くと、クレジットカードのデメリットばかりがクローズアップされて、本来のクレジットカードの利点が見えなくなってしまいます。今回のニュースはクレジットカードの利用者を不安にさせるのと同時に、クレジットカードの安全性についても再度考えさせられた出来事です。
まず、クレジットカードの安全性についてですが、第一に言っておきたいのは、キャッシュカードとクレジットカードは違うということです。たまに、2つのカードを混同している方がいますが、2つのカードは全くの別物です。補償についてもそれぞれ違いがあり、同一ではありません。では、早速、これら2つのカードの補償について、簡単にご紹介していきましょう。最初にキャッシュカードの補償ですが、クレジットカードに比べるとあまり万全とは言えません。補償については細かく規定されており、被害に遇った場合の対処などは、きちん処理しなければ補償が減額されたり、補償自体が認められないといった厳しい結果になることもあるようです。
しかし、クレジットカードは違います。カード会社により、対応は異なりますが、こういった補償に関することは、カード会社の方が、一枚上手と言えるでしょう。カード会社はすでに、以前からの経験値もあり、大抵の損害は柔軟に対応してもらうことができます。つまり、銀行などに比べると消費者側に立った対応をしてくれる場合が多いということです。不正に利用されたり、こちらに落ち度がない被害に遭った場合は、その損害が全額補償されることになります。
但し、いくらカード会社が柔軟に対応してくれるとは言っても、明らかな自身の過失による損害は補償されません。どちらにしても金融商品の自己管理は必要だということです。また、カードの安全性を高める対策として、最近は、ICカードの普及も目立ってきました。ICカード化の利点として、まず最初に言えることは、確実にカード犯罪が減るということです。実際に、日本より先にICカードが普及したヨーロッパでは確実にカード犯罪が減っています。
これが以前から普及している磁気カードの場合だと話は違います。磁気カードの場合、黒いラインの磁気ストライプに、カード番号や有効期限、氏名などの情報が入っており、このストライプの情報を市販で販売されているリーダーを使って簡単にスキャンすることが可能なのです。すでに磁気ストライプの技術自体が、古い技術だと言えるのですが、実際に、こうした簡単な方法で情報を読み取ることが可能なほど、安全性は低いのです。
しかし、これがICカードとなるとそう簡単にはいきません。まず、磁気ストライプカードと違い、ICカードは一種類だけでなく、様々な種類があります。また、ICカードは偽造しようとするだけで、ICのデータが壊れて見れなくなってしまうといった技術ももっていますから、犯罪に対する耐性はとても強いと言えるでしょう。
製造に関しても、磁気カードのように安価なリーダーで読み取ることはできず、カードの複製はほぼ不可能だと言えます。なぜならICカードを製造する場合、製造する為の設備に億単位の投資が必要となり、誰もが容易に製造することができないのです。このように、セキュリティに強いICカードは、現在、世界中で普及しており、同時に、カード犯罪抑止に大いに効果があることも、各地で実証されています。ところが、先進国であるにも関わらず、日本はICカードの普及にやや出遅れた感があります。
その理由として、日本では、ICカードを利用するための“ICカード共同利用端末”の普及が進んでいないことが挙げられます。
実は、消費者がICカードを利用しても、利用する店舗側が必ずしもIC対応のリーダーでスキャンしているわけではないのです。店舗によっては、ストライプのみしか利用できない店舗が数多く存在します。これでは、いくら消費者側がIC付きカードを利用していたとしても意味がありません。つまり、IC付きカードを利用したとしても、非IC端末対応であるならばストライプ部分を読み取っているので、本来のICカードのセキュリティを保てていないのです。ということは、ICカードの利点であるセキュリティの高さや、カード偽造対策、オフライン認証などが活かされていないということが言えます。
これは、ICリーダーを設置する店舗側の問題であり、消費者にはどうすることもできません。店側のできるだけ早急な対応を望みたいところだと言えます。では、消費者として今後、安全に利用していく為には、どのようにすれば良いでしょうか?
まず、今後の普及にもよりますが、クレジットカードはIC付きのカードを利用した方が良いでしょう。信販系のカード会社ではまだまだIC化の普及が遅れていますが、銀行系のクレジットカード会社は、早くから全面IC化に取り組んでいます。まずは、自身のカードをIC化をすることから始め、店舗側でもIC対応リーダが普及していけば、間違いなく、カード犯罪は減り、自身が被害に遇うことも少なくなるでしょう。
そして、できれば最新のカード犯罪についての知識を身につけておくことも重要です。偽造カードなどによるカード犯罪は、年々巧妙化しています。これらの犯罪を未然に防ぐためにも、利用者自身が最新の情報を収集しておくことが大切と言えるのです。昨今のインターネット社会では、クレジットカードはより便利なものになっています。しかし、クレジットカードに関する知識も持たずに安易に利用することは、とても危険だと言わざる得ません。
犯罪から身を守るために重要なのは、何と言っても自分自身の管理能力です。クレジットカードや暗証番号などの管理には十分に気を配り、犯罪の情報にも耳を傾けるよう、普段から心がけるようにしましょう。
補足=カードシステムズソリューションズとは?
小売店のクレジットカード取り扱いをカード会社に代わってデータ処理をする情報処理会社です。



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